上空3000mから落ちてみたら
今まで数々の映像で見てきた事だが、
空高くから落ちるってどんな感覚なんだろうか。
それを想像ではなく、この身を持って体感したかったので、先日体験してきた。
いきなり一人で、というのはさすがに無理で、インストラクターに後ろについてもらう「タンデム飛行」というものをしてみた。
セスナで飛び立ち、一気に上空3500mまで。この日は曇っていたが、1500mくらいで雲層は終わり、上は晴天が広がっていた。「天上界」を思わせる光景だった。
予定高度に達し、セスナのシャッターが開いた。外界と自分との隔たりが無くなった。同乗していたベテランダイバーが次々と飛び降りていく中、少し恐怖を覚えた。そしてついに自分の番。覚悟を決めてレッツダイブ!
雲に到達するまでに約1分のフリーフォール。落ちても落ちても終わりが来ない。空気を切り裂きながら落ちる落ちる落ちる…。息は以外に楽。耳抜きしないと気持ち悪い。
初めて雲を吸い込んだ。今まで地上から見上げるしかなかった雲は、綿飴のように甘くはなかった。当たり前やん。でも、それも経験して初めて分かること。
雲の中でメインパラシュートを開いた。ぐーっと上に引っ張られる感覚。
雲を抜けると、地上が見えた。パラシュートが開くと、とてもゆっくりになる。さっきに比べると、落ちてないみたいにゆっくりゆったり落ちていく。余裕が出て来て、すごく寒いという感覚を覚えるようになる。
圧巻の景色。今まで飛行機の中でしか見られなかった景色を、自分が空に浮かびながら、風を感じながら見られている。
寒い、爽快、寒い、爽快、寒い、寒い…
その後無事ランディング。さすが、上手な着地で衝撃はほとんど無かった。
終わってしまえば、なんとあっけない笑
夢のような体験だった。
言う人に言わせれば、大金(といっても3万ちょっと)払ってなんで命を削るの?と言われるようなことである。
でも体験したいのだ。肉体を持って生まれてきた身として、この世を味わい尽くしたいのだ。
今回の体験は、私にとってみたらギャンブル、ブランド品、高級車やマイホームより価値があること。喜んで払いたい。それはあくまでも私の価値観なので悪しからず。
今回、突然の誘いにも関わらず同行を快諾してくれた同僚に感謝である。体験の共有は、さらにそれを豊かにしてくれる。ありがとう。
この世は、面白いことで溢れてる。